公開: 2021年10月27日
更新: 2021年10月27日
日本人が中心となって実施するプロジェクトでは、組織の上層部からの進捗などの問い合わせに対して、しばしば、「大きな問題はない」とする回答が返される。これは、「プロジェクトを停止しなければならないほどの問題はまだ発生していない」との意味である。しかし、これから「プロジェクトを停止しなければならないほどの問題が、どの程度の確率で考えられるか」を質問している組織の上層部からの質問には答えていないのである。つまり、全てが計画通りに進んでいるのかどうかには、答えていないのである。実際には、計画と実際の進捗の差を、定量的に聴き、定量的に答えなければならない。プロジェクトは、しばしば、増大し続ける遅れの量が、プロジェクト全体が危機的状態に向かっていることを暗示している。現場からの回答が、「大きな問題はない」は、決して安心して良いという事ではない。みずほ銀行の場合、プロジェクト管理がしっかりとなされていなかったことを物語っている。